モデルのデザイナーの仕事は、このデザインはよいとか悪いとか、こうすれぼ売れるとか売れないとか、つまり、第三者から、服作りのプロセスであれこれ意見をいわれて口を出されることのない状況で仕事をすることである。
そうはいっても、ブランド一つを運営するということは、そんなになまやさしいことではない。
ある程度売れないと、ブランドの存続があっというまに難しくなる。
そのために、売場を一店舗でも増やすようにメーカーは努力する。
こんな時、やはり資金が必要となる。
ファッションビジネスをするためには、実際の服作り以外のところでさまざまなことにぶつかる。
デザイナーを志す人はだれもが最初はこのオーナーデザイナーを夢見、憧れ、自分のブランドを持ちたいと思うはずである。
しかし、百パーセント自らの資金で運営しているデザイナーは少ない。
毎シーズン、パリでコレクションを発表している著名なデザイナーですら百パーセント自らの資金力で運営することができず、何らかの形で個人のスポンサーや企業の援助を受けている人が多い。
時々「あのブランドには最近銀行がはいった」とか「あのブランドには商社がはいった」などということを耳にする。
これは、銀行や商社が援助を始めたということである。